ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「リーゼロッテ、お前をずっと抱きしめていたいけど、わたしは少しアデライーデ様とお話ししてくるよ」
フーゴは残念そうに言ったが、リーゼロッテはそんな義父の様子を気に留めるでもなく、少し興奮気味に言った。
「お義父さま、わたくし確認したいことがございますの。ジークヴァルト様にいただいた贈り物を見て参ります」
それだけ言うと、エラを連れて自室の方に去って行ってしまった。
「あらあら。子供が親の手を離れるのは早いものね」
その背を微笑ましそうに見送って、クリスタは残されたフーゴを見てくすくすと笑った。
エラがいたとはいえ、一カ月もの長い間、知り合いもいない見知らぬ場所で過ごしたのだ。どんなに心細かっただろうと、ふたりは心配していたのだが。大事な娘は家族以上に大切なものを見つけてきたらしい。
「わたしの可愛いリーゼが……」
情けない声を出す夫にクリスタは「はいはい」と返すと、アデライーデを待たせてはいけないからと、その背を強引に執務室へと向けたのだった。
フーゴは残念そうに言ったが、リーゼロッテはそんな義父の様子を気に留めるでもなく、少し興奮気味に言った。
「お義父さま、わたくし確認したいことがございますの。ジークヴァルト様にいただいた贈り物を見て参ります」
それだけ言うと、エラを連れて自室の方に去って行ってしまった。
「あらあら。子供が親の手を離れるのは早いものね」
その背を微笑ましそうに見送って、クリスタは残されたフーゴを見てくすくすと笑った。
エラがいたとはいえ、一カ月もの長い間、知り合いもいない見知らぬ場所で過ごしたのだ。どんなに心細かっただろうと、ふたりは心配していたのだが。大事な娘は家族以上に大切なものを見つけてきたらしい。
「わたしの可愛いリーゼが……」
情けない声を出す夫にクリスタは「はいはい」と返すと、アデライーデを待たせてはいけないからと、その背を強引に執務室へと向けたのだった。