ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「そうだわ、エラ。一番最近に贈っていただいた首飾りと耳飾りはどこにあるかしら?」

 リーゼロッテが聞くと、エラは部屋の奥から上質そうなベルベットのケースを取り出した。

 今、首に下げているペンダントの守り石は力が長持ちしないため、領地に戻ったら、それを身に着けるようにジークヴァルトに言われたのだ。力を込める石にも、質に差があるとジークヴァルトは説明してくれた。

 エラに差し出されたケースを開けたリーゼロッテは、中身を確認すると、死んだ魚のような目になってそのままそっと蓋を閉めた。

(ヴァルト様……普段使いするには、あまりにも豪華すぎです)

 今下げているペンダントは、寝るときやそれこそ湯あみの時もずっと身に着けている。入浴中に異形に襲われるのはまじ勘弁である。

 新しく贈られた首飾りは、以前エラが言っていたように、夜会にふさわしい豪華で繊細な作りをしたものだった。大きな青い守り石だけでなく、他にもたくさんの宝石がちりばめられている。

(こんなゴージャスでファビュラスなもの、寝ているときにつけられないわ)

 何かあったらすぐ連絡するようにジークヴァルトに言われたが、こんなにもすぐに何かあるとは思わなかったリーゼロッテだった。

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