ふたつ名の令嬢と龍の託宣
◇
「……娘の病気は完治してはいないのですか?」
フーゴが心配そうにアデライーデに聞き返した。
リーゼロッテは王妃のお茶会で、めずらしい病にかかっていることが判明して、王家の保護をうけたことになっていた。
王城への滞在は、異形による障りを病いに置き換えて、治療をうけていたということにしたのだ。
「医師の見解ではいずれ改善するとみられていますが、まだ時間はかかりそうとのことです。リーゼロッテ嬢は、幼少期からよく転ばれていたとか。そういった症状はよくなっているはずですよ」
アデライーデの言葉に、フーゴは安堵の息を漏らした。
「いずれ、公爵本人から申し入れがあると思いますが、リーゼロッテ嬢が成人したら、治療の継続も兼ねてフーゲンベルク家で保護させていただくことになるかと。これも王の意向です」
アデライーデがそう言うと、フーゴはとうとうその時が来てしまったと絶望的な顔をした。
ふたりは婚約関係にあるものの、実際に婚姻を果たすタイミングは王家の指示待ちと聞かされていた。王からゴーサインが出たとなれば、伯爵ごときが否とは言えない。
「ご安心ください。王はまだ婚姻までは考えておられぬようです。リーゼロッテ嬢はこれから社交界デビューも控えておられますし」
その言葉にフーゴは再び安堵した。
「……娘の病気は完治してはいないのですか?」
フーゴが心配そうにアデライーデに聞き返した。
リーゼロッテは王妃のお茶会で、めずらしい病にかかっていることが判明して、王家の保護をうけたことになっていた。
王城への滞在は、異形による障りを病いに置き換えて、治療をうけていたということにしたのだ。
「医師の見解ではいずれ改善するとみられていますが、まだ時間はかかりそうとのことです。リーゼロッテ嬢は、幼少期からよく転ばれていたとか。そういった症状はよくなっているはずですよ」
アデライーデの言葉に、フーゴは安堵の息を漏らした。
「いずれ、公爵本人から申し入れがあると思いますが、リーゼロッテ嬢が成人したら、治療の継続も兼ねてフーゲンベルク家で保護させていただくことになるかと。これも王の意向です」
アデライーデがそう言うと、フーゴはとうとうその時が来てしまったと絶望的な顔をした。
ふたりは婚約関係にあるものの、実際に婚姻を果たすタイミングは王家の指示待ちと聞かされていた。王からゴーサインが出たとなれば、伯爵ごときが否とは言えない。
「ご安心ください。王はまだ婚姻までは考えておられぬようです。リーゼロッテ嬢はこれから社交界デビューも控えておられますし」
その言葉にフーゴは再び安堵した。