ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「それで、相談というのは何?」

 エラの淹れた紅茶を飲みながら、アデライーデは本題に入った。

「あの……守り石のことなのですが……」
「その首に下げているペンダントね?」

 何やら言いにくそうにしているリーゼロッテに、アデライーデは首をかしげた。青い守り石は、多少はくすんできていたが、まだ綺麗な青の揺らめきを保っている。

「はい。このペンダントの守り石の力はそれほど長持ちはしないだろうから、領地に着いたらこちらを普段からずっと身に着けるようにと、ジークヴァルト様に言われていたのですが……」

 例の首飾りが入ったベルベットの箱を、リーゼロッテはエラに持ってこさせた。リーゼロッテの許可を取り、アデライーデがその箱を開けた。

「コレを一日中身につけろと?」

 箱の中身を見るなりそう聞いてきたアデライーデに、リーゼロッテはこくりと頷いた。

「あんの甲斐性なしが」

 吐き捨てるようにつぶやいたアデライーデに、リーゼロッテは相談しない方がよかったかと後悔し始めていた。

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