ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「だったら、今度出かけるときにわたしが馬に乗せてあげるわ」
「まあ、うれしいですわ、アデライーデ様」

 みなでピクニックに行くことになっていたので、そのときに馬に乗せてもらえるかもしれない。

(ああ、アデライーデ様がオスカルに見えてきたわ)

 騎士服のアデライーデと一緒に馬に乗っている姿を想像したリーゼロッテは、ベルばら的世界を想像して、「きゃっ」とひとり脳内で悶えていた。

 義父フーゴの仕事の調整待ちな状態だったので、ピクニックはいつ行けるかはまだわからないが、リーゼロッテはますます楽しみで仕方なくなってきた。

(遠足の前日の子供みたい)

 リーゼロッテは自分でも浮かれすぎだと感じていたが、異世界に転生してから外に自由に遊びに行くなど初めてのことだ。そこら中をくるくる回って、よろこびを表現したいくらいだった。

 成人を迎える誕生日を目前とした令嬢が、家族とのお出かけにうきうきしている様を見てアデライーデは、余程リーゼロッテは狭く不自由な生活をしていたのだなと、改めて思っていた。

< 398 / 678 >

この作品をシェア

pagetop