ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「いいえ、そうではないのですが、石が……」

 肌に触れて熱いのだ、とは言えず、リーゼロッテは上気した顔をジークヴァルトの胸に再びうずめ、切なそうにすり寄った。

「おい」

 普段と違うリーゼロッテの行動に、ジークヴァルトは困惑した。リーゼロッテが頭を押し付けるたびに、ジークヴァルトの体も熱を帯び、みぞおちを中心に耐えがたく熱が広がった。

 ジークヴァルトはリーゼロッテに触れるたびに、それなりに熱を感じてはいたが、ここまで強く感じることはなかった。リーゼロッテがそこを刺激するたびに全身が熱を帯び、ジークヴァルトはいつになく動揺した。

 慌ててリーゼロッテの肩をつかんで体から離すと、ジークヴァルトは馬から降り、次にくったりしているリーゼロッテを抱えて馬上から降ろした。

 馬の背を軽くたたくと、馬は近くの草を食みにゆっくりと歩きだした。それを見送ると、ジークヴァルトはリーゼロッテを抱えたまま、近くの地面に腰を下ろした。

< 413 / 678 >

この作品をシェア

pagetop