ふたつ名の令嬢と龍の託宣
リーゼロッテには、小さいころから不思議な記憶があった。日本という、こことは違う世界の小さな島国で生きていた記憶である。どこのだれ、ということは全く覚えていないのだが、知識や思考の偏りを考えると、女性として確かに日本で生活していたのだと思う。
リーゼロッテは本当に可愛い少女だ。今でもそう思っている。しかしそれは、あくまで日本人基準としての可愛い、である。
人の美醜は、時代や場所に応じて、違ってくるものだ。しもぶくれが絶世の美女な時代もあれば、ふくよかさが美しさの象徴である国もある。
リーゼロッテが小さい頃、のぞき込んでいただけの手鏡にいきなりヒビが入ったことがあって、そのこともかなりトラウマになっている。
(鏡も拒絶するくらい、自分は醜いのかもしれない)
ときおりやってくる新しい使用人に、悪魔を見るような目で見られたこともあった。口には出さなかったが、しばらくそのことで落ち込んでいたら、その使用人はいつの間にかいなくなっていた。
気づけばまわりにいるのは、リーゼロッテに気を遣ってくれる、やさしい使用人ばかりになっていたのである。
リーゼロッテは本当に可愛い少女だ。今でもそう思っている。しかしそれは、あくまで日本人基準としての可愛い、である。
人の美醜は、時代や場所に応じて、違ってくるものだ。しもぶくれが絶世の美女な時代もあれば、ふくよかさが美しさの象徴である国もある。
リーゼロッテが小さい頃、のぞき込んでいただけの手鏡にいきなりヒビが入ったことがあって、そのこともかなりトラウマになっている。
(鏡も拒絶するくらい、自分は醜いのかもしれない)
ときおりやってくる新しい使用人に、悪魔を見るような目で見られたこともあった。口には出さなかったが、しばらくそのことで落ち込んでいたら、その使用人はいつの間にかいなくなっていた。
気づけばまわりにいるのは、リーゼロッテに気を遣ってくれる、やさしい使用人ばかりになっていたのである。