ふたつ名の令嬢と龍の託宣
そんなふたりの間に、白馬の大きな顔が割り込んできた。ジークヴァルトの肩越しに、その首を下げてすり寄ってくる。
「まあ、退屈にさせてしまったかしら?」
リーゼロッテがそう言うと、白馬はリーゼロッテに顔を近づけ、その髪をひと房くわえて持ち上げた。
「食べるな」
ジークヴァルトが白馬から髪を奪い返すと、整えるようにリーゼロッテの髪を梳いた。
「この馬はジークヴァルト様の馬なのですか?」
リーゼロッテはハンカチに黒い馬の刺繍をしていることを思いだしてそう聞いてみる。ジークヴァルトが今いちばん可愛がっているのが白馬ならば、デザインを変えた方がいいかと思ったのだ。
「これは領地の馬だ。足が速いので連れてきた」
「まあ、そうなのですね」
リーゼロッテは馬の顔をなでながら、何の疑問も持たずにそう答えた。
「まあ、退屈にさせてしまったかしら?」
リーゼロッテがそう言うと、白馬はリーゼロッテに顔を近づけ、その髪をひと房くわえて持ち上げた。
「食べるな」
ジークヴァルトが白馬から髪を奪い返すと、整えるようにリーゼロッテの髪を梳いた。
「この馬はジークヴァルト様の馬なのですか?」
リーゼロッテはハンカチに黒い馬の刺繍をしていることを思いだしてそう聞いてみる。ジークヴァルトが今いちばん可愛がっているのが白馬ならば、デザインを変えた方がいいかと思ったのだ。
「これは領地の馬だ。足が速いので連れてきた」
「まあ、そうなのですね」
リーゼロッテは馬の顔をなでながら、何の疑問も持たずにそう答えた。