ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「駄々漏れすぎだ。倒れるぞ」
そっけなく言うとリーゼロッテから手を放し、何事もなかったようにジークヴァルトは書類に目を戻した。
「リーゼロッテ様。あまり一度に力をお使いになると本当に倒れてしまいます。どうぞご無理はなさいませんよう」
マテアスが新しく淹れた紅茶をテーブルに置きながら、「それにしてもリーゼロッテ様のお力はいつ見てもお綺麗ですねぇ」と細い糸目をさらに細めて感嘆まじりに眉を下げた。
「マテアス……わたくしは力を使えているの? ヴァルト様のようにうまく集められなくて……」
「リーゼロッテ様が集中されていると、全身からお力が溢れるように立ちのぼっておりますよ。それはもう見事なくらいに」
(オーラみたいな感じかしら?)
リーゼロッテが首をかしげると、「駄々漏れだがな」とジークヴァルトが書類の最後の一枚を箱の中に放り投げた。ジークヴァルトに言わせると、目詰まっていた力が最近では、四六時中リーゼロッテの体から漏れ出ているらしい。
その量自体は体に負担になるほどではないため、以前のように大量に食べなくても問題はないが、先ほどのように集中すると、体から力が溢れてエネルギー切れを起こす可能性がある。そのため十分注意するよう言われていた。
(確かに集中すると力が出なくなるわ。食べ物で落ち着くなんて、まるで低血糖の症状みたいね)
公爵家に来てからもリーゼロッテは勝手に力を使わないように言い含められ、ジークヴァルトによって異形の浄化禁止令が出されている。
そんなわけで、泣き虫ジョンには一切力を使わないことを条件に、会いに行くことを許可された。お茶を飲みながら話を聞くだけなので、あれは単に人生相談のようなものである。
そっけなく言うとリーゼロッテから手を放し、何事もなかったようにジークヴァルトは書類に目を戻した。
「リーゼロッテ様。あまり一度に力をお使いになると本当に倒れてしまいます。どうぞご無理はなさいませんよう」
マテアスが新しく淹れた紅茶をテーブルに置きながら、「それにしてもリーゼロッテ様のお力はいつ見てもお綺麗ですねぇ」と細い糸目をさらに細めて感嘆まじりに眉を下げた。
「マテアス……わたくしは力を使えているの? ヴァルト様のようにうまく集められなくて……」
「リーゼロッテ様が集中されていると、全身からお力が溢れるように立ちのぼっておりますよ。それはもう見事なくらいに」
(オーラみたいな感じかしら?)
リーゼロッテが首をかしげると、「駄々漏れだがな」とジークヴァルトが書類の最後の一枚を箱の中に放り投げた。ジークヴァルトに言わせると、目詰まっていた力が最近では、四六時中リーゼロッテの体から漏れ出ているらしい。
その量自体は体に負担になるほどではないため、以前のように大量に食べなくても問題はないが、先ほどのように集中すると、体から力が溢れてエネルギー切れを起こす可能性がある。そのため十分注意するよう言われていた。
(確かに集中すると力が出なくなるわ。食べ物で落ち着くなんて、まるで低血糖の症状みたいね)
公爵家に来てからもリーゼロッテは勝手に力を使わないように言い含められ、ジークヴァルトによって異形の浄化禁止令が出されている。
そんなわけで、泣き虫ジョンには一切力を使わないことを条件に、会いに行くことを許可された。お茶を飲みながら話を聞くだけなので、あれは単に人生相談のようなものである。