ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「お嬢様。今回は大ぶりな青い石がついた首飾りと耳飾りでございました。お手紙には、首飾りは肌身離さず身に着けるようにと書いておいでです。耳飾りは外出時に首飾りと共に着用するようにとのことでした」

 戻ってきたエラは、一気に告げた。

 いかに婚約者と言えど、外出時のアクセサリーさえ自分好みに指示を出すとは、どれだけ傲慢で狭量な婚約者なのだろうか。

 エラはのどまで出かかった言葉を、ぐっと飲みこんだ。お嬢様命のエラは、大事な主人を困らせる公爵のことを、それこそ目の敵に思っていた。

 エラの報告に、身に着けるなどとてもできそうにないと、リーゼロッテはため息をつく。

「嘘は書きたくないけれど……どうしたものかしら……」

 結局、リーゼロッテはありきたりなお礼の言葉をしたためて、公爵に届けるよう家令のダニエルへ手紙を託したのであった。

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