ふたつ名の令嬢と龍の託宣
使用人たちに仮の執務室から書類等を移動させ、いよいよ執務室の本稼働とあいなった。
マテアスは今回の騒ぎの元凶であるジークヴァルトに、もう一度くぎを刺しておく。
「旦那様、あのような騒ぎはもう二度と御免ですからね」
「問題ない。やつらの線引きはもうわかっている」
ジークヴァルトは涼しい顔で返事をした。
ジークヴァルトの言う『線引き』とは、リーゼロッテにどのような邪な感情を持つと異形が騒ぎ出すのか、そのギリギリのボーダーラインがどこにあるのかということだ。
(リーゼロッテ様の前では理性を抑えられないくせに)
いざとなったらどうなるかわからない。心の中では胡乱な視線を返しつつ、マテアスは
「頼もしいお言葉、痛み入ります」と慇懃無礼に腰を折った。
マテアスは今回の騒ぎの元凶であるジークヴァルトに、もう一度くぎを刺しておく。
「旦那様、あのような騒ぎはもう二度と御免ですからね」
「問題ない。やつらの線引きはもうわかっている」
ジークヴァルトは涼しい顔で返事をした。
ジークヴァルトの言う『線引き』とは、リーゼロッテにどのような邪な感情を持つと異形が騒ぎ出すのか、そのギリギリのボーダーラインがどこにあるのかということだ。
(リーゼロッテ様の前では理性を抑えられないくせに)
いざとなったらどうなるかわからない。心の中では胡乱な視線を返しつつ、マテアスは
「頼もしいお言葉、痛み入ります」と慇懃無礼に腰を折った。