ふたつ名の令嬢と龍の託宣
リーゼロッテはとなりのジークハルトをちらりとみやった。あぐらポーズで浮いている守護者は、ん?という顔を返してくる。
「ハルト様のように、わたくしの守護者が視えて会話もできたらいいのに……」
『ははっ。リーゼロッテの守護者はいつもそこにいるけど、リーゼロッテには視えなさそうだよね』
リーゼロッテの背後辺りに視線をやりながら、ジークハルトは楽しそうに笑った。リーゼロッテは思わず自分の後ろを振り返ったが、そこにはやはり誰もいない。
「わたくしの守護者が、ハルト様には視えるのですね」
『うん。だってずっとそこにいるし』
「まあ! そうなのですね! わたくしの守護者はどんな方なのですか?」
リーゼロッテはワクワクしながら前のめりに聞いた。
『うん、なんていうか、おもしろ系?』
「おもしろ系……? もしかして男の方なのですか?」
『ううん、女性だよ。黒髪の細目で顔の薄い聖女様だね』
「聖女様? ……まったく想像がつきませんわ」
黒髪はともかく、顔の薄いおもしろ系の聖女様っていったい何なのだ。
『そう?』
ジークハルトはそう言うと、その場からふっと掻き消えた。
すると執務机で書類に書き物をしていたジークヴァルトの手が不自然に動き、そのペンを持った手が書類の余白にするすると女性の絵を描きだした。
「おい」
ジークヴァルトが眉間にしわを寄せるが、絵を描く手は止まらなかった。その書類は、領地を運営するために王の許可を得なければならない大事な書類であった。
(じ、自動書記?)
「ハルト様のように、わたくしの守護者が視えて会話もできたらいいのに……」
『ははっ。リーゼロッテの守護者はいつもそこにいるけど、リーゼロッテには視えなさそうだよね』
リーゼロッテの背後辺りに視線をやりながら、ジークハルトは楽しそうに笑った。リーゼロッテは思わず自分の後ろを振り返ったが、そこにはやはり誰もいない。
「わたくしの守護者が、ハルト様には視えるのですね」
『うん。だってずっとそこにいるし』
「まあ! そうなのですね! わたくしの守護者はどんな方なのですか?」
リーゼロッテはワクワクしながら前のめりに聞いた。
『うん、なんていうか、おもしろ系?』
「おもしろ系……? もしかして男の方なのですか?」
『ううん、女性だよ。黒髪の細目で顔の薄い聖女様だね』
「聖女様? ……まったく想像がつきませんわ」
黒髪はともかく、顔の薄いおもしろ系の聖女様っていったい何なのだ。
『そう?』
ジークハルトはそう言うと、その場からふっと掻き消えた。
すると執務机で書類に書き物をしていたジークヴァルトの手が不自然に動き、そのペンを持った手が書類の余白にするすると女性の絵を描きだした。
「おい」
ジークヴァルトが眉間にしわを寄せるが、絵を描く手は止まらなかった。その書類は、領地を運営するために王の許可を得なければならない大事な書類であった。
(じ、自動書記?)