ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「ダーミッシュ伯爵長男、ルカ・ダーミッシュと申します。ご高名なキュプカー隊長にお会いできて光栄です!」
「ああ、フーゲンベルク副隊長から話は聞いている。今日は無理のない範囲で訓練への参加を認めよう。大きな怪我のないようにな。ただし、貴族と言えど、ここでは一介の騎士扱いをさせてもらう。甘えた考えは捨てるように」
団員たちが一気にざわついた。
ダーミッシュ伯爵の子息となると、少し前まで王城に滞在していたあの妖精姫の弟君だ。天使は少年だったとがっくりきていた一同は、その事実に再び気分が上昇した。
簡単なウォーミングアップの後、ルカの剣の軽い打ち合いを観察していたキュプカーは、榛色の瞳をキラリと光らせて、ひとりの若い騎士との手合わせを指示した。
若い騎士は騎士団に入って一年ほどの小柄な青年だった。小柄と言ってもルカと比べると、大人と子供の対格差があるのは歴然としている。
入団して一年、そろそろだらけてくる頃合いで、しかもこの青年は普段から調子に乗りやすい性格だった。
(ふわっ、目の前で見るとめっちゃ可愛い! 睫毛ながっ! しかもなんかいい匂いがするっ!)
青年騎士は王城の廊下で、この少年の姉君である妖精のような令嬢を、一度だけ目撃したことがあった。その令嬢はフーゲンベルク副隊長の腕の中で、恥ずかしそうに頬を染めていた。遠目に見ただけだったが、それはそれは可愛らしい令嬢だった。
(似てない姉弟だけど、どちらにしても可愛いなぁ)
さすが姉弟だけはあると、鍛錬場でルカと向かい合った青年騎士は、気もそぞろに手合わせ開始前の礼をした。
「ああ、フーゲンベルク副隊長から話は聞いている。今日は無理のない範囲で訓練への参加を認めよう。大きな怪我のないようにな。ただし、貴族と言えど、ここでは一介の騎士扱いをさせてもらう。甘えた考えは捨てるように」
団員たちが一気にざわついた。
ダーミッシュ伯爵の子息となると、少し前まで王城に滞在していたあの妖精姫の弟君だ。天使は少年だったとがっくりきていた一同は、その事実に再び気分が上昇した。
簡単なウォーミングアップの後、ルカの剣の軽い打ち合いを観察していたキュプカーは、榛色の瞳をキラリと光らせて、ひとりの若い騎士との手合わせを指示した。
若い騎士は騎士団に入って一年ほどの小柄な青年だった。小柄と言ってもルカと比べると、大人と子供の対格差があるのは歴然としている。
入団して一年、そろそろだらけてくる頃合いで、しかもこの青年は普段から調子に乗りやすい性格だった。
(ふわっ、目の前で見るとめっちゃ可愛い! 睫毛ながっ! しかもなんかいい匂いがするっ!)
青年騎士は王城の廊下で、この少年の姉君である妖精のような令嬢を、一度だけ目撃したことがあった。その令嬢はフーゲンベルク副隊長の腕の中で、恥ずかしそうに頬を染めていた。遠目に見ただけだったが、それはそれは可愛らしい令嬢だった。
(似てない姉弟だけど、どちらにしても可愛いなぁ)
さすが姉弟だけはあると、鍛錬場でルカと向かい合った青年騎士は、気もそぞろに手合わせ開始前の礼をした。