ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「では、試合開始!」
先輩騎士の掛け声とともに、はっと我に返った青年騎士は、可愛い天使に怪我をさせないようにするにはどうすべきか躊躇しながら剣を構えた。
(あれ?)
ガキンと剣と剣がぶつかり合う音がした後、気づくと青年騎士は天井を見上げていた。背中が打ち付けられたように痛みを訴えている。
視界の隅に周囲がわっとルカを囲んでいる様子が垣間見えた。痛みをこらえて体を起こすと、青年騎士は自分が鍛錬上の床の上で転がっていたことに気がついた。
「え? もしかしてオレ負けたの?」
剣を構えた後、ルカの可愛らしい姿がかき消えた。そこまでは覚えている。
ぼんやりとしたまま視線をずらすと、床の向こうに自分が手にしていたはずの模擬剣が、無造作に転がっているのが目に入った。
「貴様、騎士でもない少年に打ち負かされるなど、完全にたるみ切っているようだな」
背後から身も凍りそうな重低音の声がする。
地べたに座り込んだまま恐る恐る振り返ると、そこには憤怒の表情のキュプカー隊長が立っていた。
「今から貴様は特別メニューだ! まずは鍛錬場百周してこい!!」
「は、はひぃぃぃっ」
飛び上がるように立ち上がった青年騎士は、転びそうな勢いで鍛錬場の外周へと走っていった。
「あの方は大丈夫でしょうか? きっと子供のわたしに怪我をさせないよう気を使ってくださったのですね」
ルカが申し訳なさそうにその背中を目で追った。
先輩騎士の掛け声とともに、はっと我に返った青年騎士は、可愛い天使に怪我をさせないようにするにはどうすべきか躊躇しながら剣を構えた。
(あれ?)
ガキンと剣と剣がぶつかり合う音がした後、気づくと青年騎士は天井を見上げていた。背中が打ち付けられたように痛みを訴えている。
視界の隅に周囲がわっとルカを囲んでいる様子が垣間見えた。痛みをこらえて体を起こすと、青年騎士は自分が鍛錬上の床の上で転がっていたことに気がついた。
「え? もしかしてオレ負けたの?」
剣を構えた後、ルカの可愛らしい姿がかき消えた。そこまでは覚えている。
ぼんやりとしたまま視線をずらすと、床の向こうに自分が手にしていたはずの模擬剣が、無造作に転がっているのが目に入った。
「貴様、騎士でもない少年に打ち負かされるなど、完全にたるみ切っているようだな」
背後から身も凍りそうな重低音の声がする。
地べたに座り込んだまま恐る恐る振り返ると、そこには憤怒の表情のキュプカー隊長が立っていた。
「今から貴様は特別メニューだ! まずは鍛錬場百周してこい!!」
「は、はひぃぃぃっ」
飛び上がるように立ち上がった青年騎士は、転びそうな勢いで鍛錬場の外周へと走っていった。
「あの方は大丈夫でしょうか? きっと子供のわたしに怪我をさせないよう気を使ってくださったのですね」
ルカが申し訳なさそうにその背中を目で追った。