ふたつ名の令嬢と龍の託宣
公爵家に来てから、リーゼロッテと共に過ごす時間が減っている。自分の知らないところで、リーゼロッテが傷つくようなことがあったのではないか。
そう思うとエラは顔色を悪くした。そのような事態を放置するなど、自分が公爵家について来た意味が何もない。それでなくともお嬢様は、周りを思って我慢なさる方なのだから。
「い、いいえ、体調が悪いわけではないの。そうではないのよ、エラ」
リーゼロッテは言いよどみ、それでも何かを言いたげに視線を右へ左へとさ迷わせた。
(何か言いにくいことがおありなのだわ!)
エラは瞬時に判断した。口に出しづらいことを打ち明けたいとき、リーゼロッテはこのような仕草をいつもする。例えばドレスにシミを作ってしまったとか、月のものがやってきたとか、ちょっと恥ずかしいと思うことを告白したいときに。
「お嬢様。やはり何かおありなのですね? おっしゃりにくいことなら無理にとは申しませんが……」
エラはできるだけしゅんとした態度を取った。こうするとリーゼロッテは大概のことは、慌てて告白してくれるのだ。
「……エラ……正直に言ってほしいのだけれど……」
思った通りリーゼロッテは素直に口を開いた。一度だけ躊躇して、恥ずかしそうに眼を逸らしながら、リーゼロッテは消え入りそうな小さな声で続けた。
「その、わたくし……最近、ちょっと太ったわよね?」
思わぬ告白にエラは目を丸くする。
そう思うとエラは顔色を悪くした。そのような事態を放置するなど、自分が公爵家について来た意味が何もない。それでなくともお嬢様は、周りを思って我慢なさる方なのだから。
「い、いいえ、体調が悪いわけではないの。そうではないのよ、エラ」
リーゼロッテは言いよどみ、それでも何かを言いたげに視線を右へ左へとさ迷わせた。
(何か言いにくいことがおありなのだわ!)
エラは瞬時に判断した。口に出しづらいことを打ち明けたいとき、リーゼロッテはこのような仕草をいつもする。例えばドレスにシミを作ってしまったとか、月のものがやってきたとか、ちょっと恥ずかしいと思うことを告白したいときに。
「お嬢様。やはり何かおありなのですね? おっしゃりにくいことなら無理にとは申しませんが……」
エラはできるだけしゅんとした態度を取った。こうするとリーゼロッテは大概のことは、慌てて告白してくれるのだ。
「……エラ……正直に言ってほしいのだけれど……」
思った通りリーゼロッテは素直に口を開いた。一度だけ躊躇して、恥ずかしそうに眼を逸らしながら、リーゼロッテは消え入りそうな小さな声で続けた。
「その、わたくし……最近、ちょっと太ったわよね?」
思わぬ告白にエラは目を丸くする。