ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「ともかく、力の扱いは人それぞれですので、初めはいろいろ試すのがいいですね。旦那様のように力が大きく強い場合は、握りこんで放つやり方が向いていますが、あの方法は上級者向けです。リーゼロッテ様はまず力の流れを感じることから始めましょう」

 ジークヴァルトより何倍も分かりやすい。エマニュエルの説明にリーゼロッテは瞳を輝かせた。

(そうか……何もヴァルト様のやり方に固執しなくてもいいのね。もしかしてこれは、かめ〇め波的なものや、ド〇ン波的なものができてしまうのかも?それとも日本人的には螺〇丸?いえ、あれは影分身しないとできないのだっけ?だとすると、むしろレ〇ガンかしら……?)

 これぞ異世界転生の醍醐味なのではと、リーゼロッテはわくわくしてきた。厨二病が荒ぶるというものである。

「では早速やってみましょう。お手をつないでもよろしいですか?」

 エマニュエルは一度ジークヴァルトへ確かめるように目線を向けてから、リーゼロッテへと両手を差し伸べた。リーゼロッテは頷きながらエマニュエルのその手を取った。

 隣り合わせに座ったソファの上で、ふたりは両手をつないで見つめ合った。

「わたしがリーゼロッテ様のお力を導いて、ゆっくりとそちらに戻します。リーゼロッテ様は何もせずにその流れだけを感じ取っていてください」

 リーゼロッテが頷くと、小さく息を吐いてからエマニュエルはその青い瞳をそっと閉じた。それを皮切りにリーゼロッテの中で、何かがそろりと動きだす。

「ぁ……」

< 597 / 678 >

この作品をシェア

pagetop