ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 リーゼロッテは、日常生活でも午前中は比較的体調がいい。午後になるにしたがって、体が重くなりトラブルの回数も増えるのだ。

 リーゼロッテ自身は、体調が悪いというより、体が重くなると感じている。風邪をひいたときのような体調不良ではない。重い荷物を背負わされたような、物理的に重いという感覚である。

(例えていうなら、ド〇ゴンボールの精神と時の部屋ね。重力何倍、みたいな)

 午前中はなんとなく寝不足で、午後は重労働を課せられ、それを食べ物で補っている。リーゼロッテにとってはそんな感覚だった。それに、昔から夢をよく見るリーゼロッテは、いくら寝ても寝た気がしない毎日を送っていた。

「日にちがありませんし、わたくしはさっそく準備にとりかかりますわ」

 リーゼロッテがゆっくりとした動作で立ち上がると、横に座っていたルカも立ち上がり、ついと手を差し伸べた。

「義姉上、お部屋までお送りいたします」

 ルカの小さな手を取り、リーゼロッテ微笑んだ。

「ありがとう、ルカ」

 ルカは慣れた手つきでリーゼロッテをエスコートしていく。

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