ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 そう思いながら、リーゼロッテは薄い肌着のみになったぺたんこの胸を見下ろした。申し訳なさ程度にあるふくらみの間に、何か文様のようなあざが丸く見える。このあざは、生まれつきのものだ。

 ここブラオエルシュタイン国では、リーゼロッテのような生まれつきのあざは、守護神である青龍の祝福として、とても喜ばれるものだった。

(この意味ありげなあざも、ラノベっぽいと言えばラノベっぽいけど)

 いくら祝福と言われているとはいえ、こんなところにあざがあるのは見られたくないと思ってしまうのが乙女心だ。胸の開いたドレスは一生着られそうにない。

(それは、あざのせいであって、断じてこのぺたんこの胸のせいではないわ)

 リーゼロッテは、自分をそう納得させた。

「お嬢様、今回は正式なお茶会ですから、コルセットはなさった方がいいかと思います」

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