ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 情けないことだが、自分のドジさ加減は、リーゼロッテ自身が一番よくわかっていた。母親がついていようがいまいが、粗相は避けられないのだ。それはもう宿命のように。

 だとするならば、ダーミッシュ家の家名を汚すような、大それた失敗だけは避けなければならない。自分より上位の令嬢を巻き込んで、キズのひとつでもつけようものなら、とんでもないことになりかねない。

 母親がそばについている状況では、伯爵夫人の恥になり、ひいてはダーミッシュ伯爵の立場が悪くなる。そんなことを気にするような両親ではなかったが、リーゼロッテひとりの参加ならば、デビュー前の子供のやらかすこととして、それほど大ごとにはならないと踏んだのだ。

 自分自身は笑いの種にされるだろうが、このお茶会と社交界デビューさえ乗り切れば、もう(おおやけ)の場に出なくてもよくなるだろう。

< 7 / 678 >

この作品をシェア

pagetop