ふたつ名の令嬢と龍の託宣
リーゼロッテはエメラルドの瞳を見開いて、ぱしぱしと幾度か瞬きをした。差し出されたものを断ることもできずに、おずおずとカップに手を伸ばした。
「ありがとうございます」
いつもの癖で、慎重に、ゆっくりとソーサーごとカップを手に取る。
(とりあえず一口だけ……)
ひとくち紅茶を口にふくむと、ふんわりと甘い芳香がひろがった。ほう、と溜息がでる。思っていた以上にのどが渇いていたようだ。
慎重な手つきでリーゼロッテは、何とか割らずにティーカップをテーブルの上にそうっと戻した。
「ありがとうございます」
いつもの癖で、慎重に、ゆっくりとソーサーごとカップを手に取る。
(とりあえず一口だけ……)
ひとくち紅茶を口にふくむと、ふんわりと甘い芳香がひろがった。ほう、と溜息がでる。思っていた以上にのどが渇いていたようだ。
慎重な手つきでリーゼロッテは、何とか割らずにティーカップをテーブルの上にそうっと戻した。