トシノサ恋　〜永久に…君に〜　番外編
ガチャ

「ただいま…」

「あ、おかえりなさいっ…」

リビングのドアを開けると、キッチンに立って夕食の準備をしている彼女がいた。

「今日も暑かったね、お疲れさまっ。」

「パパー」

2歳になったばかりの可愛い息子が玩具の剣を片手に俺に斬りかかってくる。

「やられたぁ…」

笑いながら、リビングに戻っていく息子を笑って見つめると、キッチンの彼女に目を向けた。

「ごめんね、もう少しでできるからね。」

いつもの穏やかな口調の彼女の声に心が安らいでいく…Ｙシャツのボタンを開けながら彼女に近づく。
「…今日のご飯は何かな？」

彼女の肩越しに夕食を覗き込むと、彼女が笑顔になったのがわかった。

「…今日はチキンカツカレーだよ。」
そう言って、チキンカツに卵とパン粉を付けて揚げようとしていた。

「おお、美味そうっっ。俺が揚げるよっ」

そう言うと手を洗って、彼女の横に立って揚げ物を担当した。

「疲れてるのに、ありがとうっ。」

「何言ってるの、紗和だって、陽向（ひなた）の世話で大変なんだからっ。陽向と後でお風呂に入るよ。」

「…あ、うん…」

そう言って申し訳なさそうに笑う紗和の横顔が愛しくて仕方ない。
今すぐにでも抱き寄せたくなってしまうのを堪えて、揚げ物に専念していた。

「そういえば、今…テスト期間だから、部活は休みなんだよね？じゃあ、明日は朝練ないから朝は少しゆっくりできそう？」

「…そうだね、大丈夫かな。」

紗和からこんな事言うなんて珍しいと思った。

晩ごはんを食べて陽向を風呂に入れた後、紗和が息子を寝かしつけると彼女がリビングに帰ってきた。







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