意地悪な副社長との素直な恋の始め方


首を締めたくなるほど憎たらしいと思うこともあれば、存分に甘やかして、自分なしではいられないと言わせたくなることもある。

泣かせたくなることもあれば、笑わせたくなることもある。
怒っている姿も好きだし、喜んでいる姿も好きだ。
彼女のあらゆる感情を引き出して、自分だけのものにしたくなる。

彼女と共に生きていくならば、平穏無事とは程遠い、天国と地獄を行き来する忙しない人生を送ることになるだろう。

それでも、彼女のいない人生を送るよりは遥かにマシだ。

この世で、彼女ほど自分の思うようにならないひとはいない。
彼女のほかに、こんなにも自分の感情を揺さぶるひとはいない。

毎朝、一日の始まりには彼女の顔を見たいし、毎晩、一日の終わりには彼女を抱きしめて眠りたい。

それ以上の幸せが、この世にあるとは思えない。




願わくば――、


最も美しく、最も似合うドレスを着て、

これまでの人生を歩いて来る彼女を迎え、

これからの先の人生を共に歩いていきたい。



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