婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「いいえ、行きます。皆さんよろしくお願いいたします」

アレクシアははっきり答えてから、護衛のふたりに声をかけた。

実際魔獣がどれほどの強さなのか、アレクシアには分からないけれど、メイナードが一緒なら大丈夫だと思えた。


金の泉までの道のりは順調だった。

ときどき護衛のふたりが離れることがあったからアレクシアが気付く前に、近づく魔獣を討伐していたのだろう。

ふいに樹々が途切れた。明るさを増した光景にアレクシアは目を細めた。

ようやく目的地に着いたのだ。目の前には名前の通り金色の湖が広がっている。

向こう側の岸は遥か向こうで、泉と言うよりは湖のようだった。

護衛騎士が周囲の安全を確認している間、アレクシアはキョロキョロと辺りを見て回った。もちろん側にはメイナードが付いている。

「目当てのものはありそうか?」

「ざっと見た限りではないですね……でもここにあるのは間違いないと思います。記録にもありましたし、マナカも見たと言っていたし」

少し前までは、マナカも護衛を頼んで採取に森に入っていたそうだ。

ところがここ最近メイナードが間の森への出入り禁止令を出したらしい。

理由は伏せられていたそうだが、おそらく先ほど言っていた、魔獣の活動範囲が広くなったことが原因なのだろう。

今回はアレクシアが直接頼みこんだことで、こうして採取出来る運びとなったのだけれど。
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