婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「あなたは俺の素顔を見ても顔をしかめないな。先ほどもこんな普通ではない腕を平然と手当していた……怖くないのか?」
アレクシアに比べ逞しい体躯で、魔獣すら倒すメイナードは誰よりも強い。しかし今、彼は不安を感じているように見えた。
なにかに怯えるように、アレクシアの返事を待っている。
アレクシアは彼の腕にそっと触れた。
「怖くなんてありません。旦那様は優しい方だと私はもう知っていますから」
メイナードの顔が痛みに堪えるように歪んだ。
けれどアレクシアを離すどころか、負傷した方の手を重ねてきた。
アレクシアは夫の手をぎゅっと握った。
「でも心配しています。この文様を消す方法はないと仰っていましたね。害がないのならそれでいいと思っていましたけど、いざというときに治癒魔法を使えないのは危険です」
いくら強くても絶対はない。もし深い傷を負い、今のように休む時間がない状況だったら。
本来治癒魔法で癒すところ、それができないのは致命的だ。
「この文様はいったいなんなのですか? 原因は?」
今なら彼が心を開いてくれているような気がした。
踏み込んではいけないと思って聞けずにいたことを、口にする。
メイナードは暗い表情を浮かべたものの、アレクシアを突き放したりはしなかった。
「これは母上から俺に移ったものだ」
「え?」
アレクシアに比べ逞しい体躯で、魔獣すら倒すメイナードは誰よりも強い。しかし今、彼は不安を感じているように見えた。
なにかに怯えるように、アレクシアの返事を待っている。
アレクシアは彼の腕にそっと触れた。
「怖くなんてありません。旦那様は優しい方だと私はもう知っていますから」
メイナードの顔が痛みに堪えるように歪んだ。
けれどアレクシアを離すどころか、負傷した方の手を重ねてきた。
アレクシアは夫の手をぎゅっと握った。
「でも心配しています。この文様を消す方法はないと仰っていましたね。害がないのならそれでいいと思っていましたけど、いざというときに治癒魔法を使えないのは危険です」
いくら強くても絶対はない。もし深い傷を負い、今のように休む時間がない状況だったら。
本来治癒魔法で癒すところ、それができないのは致命的だ。
「この文様はいったいなんなのですか? 原因は?」
今なら彼が心を開いてくれているような気がした。
踏み込んではいけないと思って聞けずにいたことを、口にする。
メイナードは暗い表情を浮かべたものの、アレクシアを突き放したりはしなかった。
「これは母上から俺に移ったものだ」
「え?」