婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「旦那様、これからも怪我の手当は私にさせてくださいね」

「手間だろう? 自分でできるから大丈夫だ。ルーサーに任せることも……」

「いいえ、やりたいのです。だって私はあなたの妻なのですから」

恥ずかしかったけれど、勇気を出してはっきりと言った。

メイナードは驚いたように目を見開いた。

直ぐにふいと視線を逸らされたが、耳に赤みがさしている。

「好きにしてくれ。妻の言うことには従わないといけないからな」

嬉しくて、アレクシアは破顔した。

「ありがとうございます、そうさせてもらいますね」

そっぽを向かれても、メイナードの隣は居心地がよかった。

しばらく寄り添っていると、視線が合った。

アレクシアは幸せな気持ちで微笑んだ。メイナードもと同じ気持ちだったらいいと願いながら。


サザラント城には、メイナードが駆る馬で帰還した。

アレクシアを気遣うゆっくりした進みだったので通常よりも時間がかかり、途中の街で一泊した。

安全のために同室だったものの、当然のようにベッドは別々。夫婦らしい雰囲気にはならなかったが、お互いの子供の頃の話などをして理解が深まったと思う。
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