婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
アレクシアらしいと思った。彼女が決めたことなら反対はしない。メイナードの役目は彼女を支えて守ることだ。

「心配しなくていい。俺も一緒に王都へ行く」

「え? でも」

「イライアスがなにをしてくるか分からないからな。大切な妻をひとりで送るなんて俺にはできない」

アレクシアは、頬を真っ赤に染めた。

「メイナード様」

「出立は三日後にする。用意は間に合うか?」

「はい。ディナも連れて行っていいですか?」

「構わない。王都では弟にも会えるように段取りしよう」

「ありがとうございます」

アレクシアはとても嬉しそうに微笑んだ。



セラに王都行きの承諾の返事をすると、彼女は喜び休む間もなく旅立って行った。

それからは、非常に慌ただしく動くことになった。

道中の護衛を任せる騎士の選定。

メイナードひとりならば護衛など必要ないが、アレクシアがいるとなると、そうもいかない。

ルーサーの転移も考えたが、複数を飛ばすには遠すぎて難しい。

調整を続けようやく形になったのは出発前日の日没前だった。


その日の夜、メイナードはアレクシアの私室を訪れた。

「旦那様、今夜は来られないかと思ってました」

アレクシアは笑顔で部屋に迎え入れてくれた。一緒にいた侍女のディナは気を利かしたのか、部屋を出て行く。

「急にすまない、支度中だったか?」
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