婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
いつになく物が散乱した様子の部屋を見て、メイナードが言うと、アレクシアは笑いながら首を振った。
「もう終わったところですから大丈夫ですよ。ディナとふたりでなにをもっていこうか悩んでいたら散らかってしまいました」
その作業が楽しかったのか、アレクシアは機嫌がよかったが、メイナードは気まずい思いになった。
今まで気づかなかったが、彼女には実家から連れてきた侍女がひとりしかいないのだ。
侍女長とその配下の侍女にアレクシアとは関わりのない役目を与えた後、代わりのものを配置していなかった。
公爵夫人としてあり得ない待遇だし、名門侯爵家出身の令嬢が自ら荷物の整理をするなど普通なら考えられない。
自分の気の回らなさに嫌気がさした。
「すまない。俺のせいでこの城には使用人が少なくて苦労しただろう?」
アレクシアはきょとんとしたように目を丸くした。
「え……いいえ? そんなことはないですよ。私は満足しています。困っていることなんてありません」
「本当か?」
彼女は優しいから気を遣っているのではないだろうか。
「はい。あ、でもディナには苦労をかけてしまっています」
アレクシアは顔をくもらせて言う。
「彼女は私の幼馴染でもあるんです。メイナード様にとってのルーサーのような存在ですね。王太子殿下の件が片付いたら、ディナの今後について相談させてください」
「もう終わったところですから大丈夫ですよ。ディナとふたりでなにをもっていこうか悩んでいたら散らかってしまいました」
その作業が楽しかったのか、アレクシアは機嫌がよかったが、メイナードは気まずい思いになった。
今まで気づかなかったが、彼女には実家から連れてきた侍女がひとりしかいないのだ。
侍女長とその配下の侍女にアレクシアとは関わりのない役目を与えた後、代わりのものを配置していなかった。
公爵夫人としてあり得ない待遇だし、名門侯爵家出身の令嬢が自ら荷物の整理をするなど普通なら考えられない。
自分の気の回らなさに嫌気がさした。
「すまない。俺のせいでこの城には使用人が少なくて苦労しただろう?」
アレクシアはきょとんとしたように目を丸くした。
「え……いいえ? そんなことはないですよ。私は満足しています。困っていることなんてありません」
「本当か?」
彼女は優しいから気を遣っているのではないだろうか。
「はい。あ、でもディナには苦労をかけてしまっています」
アレクシアは顔をくもらせて言う。
「彼女は私の幼馴染でもあるんです。メイナード様にとってのルーサーのような存在ですね。王太子殿下の件が片付いたら、ディナの今後について相談させてください」