婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
(オーレリア様が被害に遭ったということ事体が偽りだったら?邪魔な婚約者だった私に悪役のレッテルを貼り排除する為に仕組んだのだとしたら……)

あまりにも冷酷で強かな女性だ。相手の人生を平気で踏みにじり平然としていられるなんて。

オーレリアに対する気持ちが、急激に変って行く。勤勉なところを立派だと尊敬したが、それすら吹き飛んでしまう落胆だった。

そんなアレクシアの反応を気にも留めずに、オーレリアは一件落着とばかりに微笑んだ。

「イライアス様、それでよろしいですね?」

イライアスはおとなしく頷く。

「ああ」

けれど、ふたりのやり取りにメイナードが割り込んだ。

「申し訳ありませんが、その命令には従えません」

堂々としたその物言いに、誰もが驚きの表情になる。

「メイナード、お前、王太子妃のオーレリアに逆らうのか?」

イライアスがすぐさま食ってかかるのを、メイナードは冷めた目で受け止めた。

「王太子妃だからといってブラックウェル公爵夫人への横暴は許されない。それに王位を継承すると言っていたが、それは誰の判断だ? 我々貴族にはなんの報告もないが」

メイナードの態度が変化していた。

イライアスへの怒りを隠しもしなくなったのだ。

動揺し息を呑むイライアスから視線を逸らしたメイナードは、端に控えていたアークライト侯爵と彼の妻に問いかけた。
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