婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「あなたたちはイライアス王太子の王位継承に賛同しているのか?」

どちらも言葉に詰まったように返事をしない。ようやく答えたのは、アレクシアの継母パメラだった。

「もちろん賛同しています。国王陛下は病で伏せていることが多いため、早々に健康な王の即位が望ましいでしょうから」

「その王位を継ぐ予定の者が、健康を害しているように見えるのだが」

メイナードは皮肉に笑った。

「そ、それは……」

「アークライト侯爵夫人は、王太子妃の生家とは血縁関係にあるらしいな。公平な目で見ているとは思えない。そもそもあなたには政治に口を出す資格がないはずだ。これ以上の意見は必要ない」

パメラはぐっと押し黙る。アレクシアは複雑な気持ちでその様子を眺めていた。

実家にいた頃は、パメラの意見が絶対で、アレクシアは小さくなって生活していたのだ。
ルイの母親だから憎いとまでは思わなかったけれど、恐怖は感じていた。その相手が今、自分の夫の前で小さくなっている。そして、

「アークライト侯爵。あなたはアレクシアの実の父親なのに、王太子が彼女を追放する際に、一切の反論をしなかったそうだな」

次は父親が責められていた。彼もまたメイナードの前では頼りなく見える。

「……王命には逆らえませんでした。今ここにいるのも命令を受けたからで……」
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