婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「い、いえ……作り方は知っています。お祖母さまに教わりましたから」
ルーサーの言う通り、リリー子爵家は貴族にしては特殊で、領地からの税収に頼らず錬金術を用いて作った魔道具や薬を売り成り立っている家だ。
元々先祖がその技術を評価されて、時の国王より子爵位を賜ったのが家の始まりで、リリー子爵家の人間はほとんど例外なく、ひと通りの技術を教え込まれる。
アレクシアの母も当然一流の錬金術師だった。アレクシア自身はそこまでではないが、基本的な知識は身につけている。
(傷薬だったら私でもできる……)
「ルーサー任せてください。前線の皆さんのお役に立てるように頑張ります」
「それは心強い、メイナード様もお喜びになります」
「そうだといいのですが……あ、そう言えば」
アレクシアはふと思いついて、両手を合わせた。
「どうしました?」
「庭にフィデルの花が咲いたので、薬作りに使えそうだと思って」
「え、フィデルって、アレクシア様の中庭にですか?」
ルーサーがなぜか顔を曇らせた。
「ええ。私の部屋から直接出られる庭の奥です」
「そうですか……分かりました。その花については、こちらで確認しておきますので、当分は作業場にある素材でお願いします。明日の午前中に作業場へご案内しますね」
「あの、私は今からでも」
ルーサーの言う通り、リリー子爵家は貴族にしては特殊で、領地からの税収に頼らず錬金術を用いて作った魔道具や薬を売り成り立っている家だ。
元々先祖がその技術を評価されて、時の国王より子爵位を賜ったのが家の始まりで、リリー子爵家の人間はほとんど例外なく、ひと通りの技術を教え込まれる。
アレクシアの母も当然一流の錬金術師だった。アレクシア自身はそこまでではないが、基本的な知識は身につけている。
(傷薬だったら私でもできる……)
「ルーサー任せてください。前線の皆さんのお役に立てるように頑張ります」
「それは心強い、メイナード様もお喜びになります」
「そうだといいのですが……あ、そう言えば」
アレクシアはふと思いついて、両手を合わせた。
「どうしました?」
「庭にフィデルの花が咲いたので、薬作りに使えそうだと思って」
「え、フィデルって、アレクシア様の中庭にですか?」
ルーサーがなぜか顔を曇らせた。
「ええ。私の部屋から直接出られる庭の奥です」
「そうですか……分かりました。その花については、こちらで確認しておきますので、当分は作業場にある素材でお願いします。明日の午前中に作業場へご案内しますね」
「あの、私は今からでも」