婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
すっと通った鼻筋、丁度よい厚さの唇。すべての配置が絶妙で、本来なら王都一の美男だっただろう。
治す方法がないと言っていたから、アレクシアはそういった外見の話は一切、口に出さないと決めていた。
けれど、ふとした拍子に夫にときめいてしまう自分がいて、そんなとき誤魔化すのに苦労するようになっていた。
「旦那様、今日の人参のクリームスープは、料理長の自信作だそうですよ」
アレクシアはそう言いながら、メイナードの席に白磁のスープ皿を置く。
食事中は本当にふたりきりなので、給仕はアレクシアの仕事なのだ。
「人参か……」
メイナードの凛々しい眉が、ほんの少しだけ下がる。
「苦手でしたか?」
これまで彼が好き嫌いをしているのを見た覚えがない。しかし誰にでも苦手なものはあるだろう。
「いや、そうではない、大丈夫だ」
明らかに気が乗らない様子でスプーンを運ぶメイナードを見ながら、アレクシアは心の中で呟いた。
(絶対嫌いなんだわ)
「今後、人参はメニューから外すよう料理長に伝えましょうか?」
本来はとうに伝えていておかしくないのだ。
「いや、本当に大丈夫だ。たしかにあまりうまいとは感じないが、選り好みをするのはよくない」
どうやら無理をして食べるようだ。
(旦那様は本当に真面目な人だわ)
会話をするようになって、感じたことだ。
治す方法がないと言っていたから、アレクシアはそういった外見の話は一切、口に出さないと決めていた。
けれど、ふとした拍子に夫にときめいてしまう自分がいて、そんなとき誤魔化すのに苦労するようになっていた。
「旦那様、今日の人参のクリームスープは、料理長の自信作だそうですよ」
アレクシアはそう言いながら、メイナードの席に白磁のスープ皿を置く。
食事中は本当にふたりきりなので、給仕はアレクシアの仕事なのだ。
「人参か……」
メイナードの凛々しい眉が、ほんの少しだけ下がる。
「苦手でしたか?」
これまで彼が好き嫌いをしているのを見た覚えがない。しかし誰にでも苦手なものはあるだろう。
「いや、そうではない、大丈夫だ」
明らかに気が乗らない様子でスプーンを運ぶメイナードを見ながら、アレクシアは心の中で呟いた。
(絶対嫌いなんだわ)
「今後、人参はメニューから外すよう料理長に伝えましょうか?」
本来はとうに伝えていておかしくないのだ。
「いや、本当に大丈夫だ。たしかにあまりうまいとは感じないが、選り好みをするのはよくない」
どうやら無理をして食べるようだ。
(旦那様は本当に真面目な人だわ)
会話をするようになって、感じたことだ。