婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「つまり……間の森に、最上級の傷薬を作るための、素材があるということか?」
説明を終えると、メイナードが腕を組みながら呟いた。
「はい、そうです。金の泉のほとりの野草と、泉の水。このふたつがあれば、高位の治癒魔法に匹敵する薬が作れるはずです」
マナカの経験と、アレクシアが祖母より受け継いだ知識。それらをすり合わせ辿り着いた結論だ。
「ならば必要なものは俺が取ってこよう」
そう言われるかもしれないと思っていたため、アレクシアはすぐさま反論する。
「いいえ。とても見分けが難しい草なんです。それに大地から離れても鮮度を保つには、日光代わりの光魔法が必要です」
「騎士に光魔法の使い手はいない。空間魔法使いならいる。時間の流れを極端に遅らせる空間を作ることができるそうだが、それでは駄目なのか?」
「空間魔法? かなり珍しいものだと思うのですが、この城に使い手がいらっしゃるのですか?」
「ルーサーだ。それでどうなんだ?」
アレクシアは少し考えてから首を傾げた。
「絶対大丈夫とは言えません。そういった前例を聞いたことがありませんから」