政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
こだわってできた新居の内覧で満足そうにそう囁いた翔吾に、当時臨月に入ったばかりだった柚子は真っ赤になった。
柚子としてはそんなつもりはまったくなかったが、言われてみればそうかもしれない。
そんなこんなで、引っ越しを済ませてから二週間が経ったある晴れた日に、柚子は無事に出産した。
ぷくぷくとした真っ白いほっぺ、クセのある少し茶色い髪、それから黒目がちの大きな目がかわいい、玉のような女の子だ。
翔吾の喜びようは半端ではなかった。
それこそ一緒にいられる時間は一秒で無駄にしたくないとでもいうように隙あらば彼女を腕に抱いている。その姿には柚子が少しジェラシーを感じてしまうくらいだった。
結局、夫婦の寝室の隣の部屋は今日に至るまで一度も使われたことはない。柚子と奈緒が産院から戻ってからずっと余裕のある大きな夫婦のベッドで、三人は枕を並べて寝ている。
そして彼は産前に言っていた通り、夜のオムツ替えも、寝かしつけも積極的に参加した。はじめはそのことにひどく罪悪感を覚えた柚子だったが、昼間はひとりで育児をしている柚子だって疲れて起きられない夜はある。
そんな時は意地を張らずに、甘えることにしていた。
柚子としてはそんなつもりはまったくなかったが、言われてみればそうかもしれない。
そんなこんなで、引っ越しを済ませてから二週間が経ったある晴れた日に、柚子は無事に出産した。
ぷくぷくとした真っ白いほっぺ、クセのある少し茶色い髪、それから黒目がちの大きな目がかわいい、玉のような女の子だ。
翔吾の喜びようは半端ではなかった。
それこそ一緒にいられる時間は一秒で無駄にしたくないとでもいうように隙あらば彼女を腕に抱いている。その姿には柚子が少しジェラシーを感じてしまうくらいだった。
結局、夫婦の寝室の隣の部屋は今日に至るまで一度も使われたことはない。柚子と奈緒が産院から戻ってからずっと余裕のある大きな夫婦のベッドで、三人は枕を並べて寝ている。
そして彼は産前に言っていた通り、夜のオムツ替えも、寝かしつけも積極的に参加した。はじめはそのことにひどく罪悪感を覚えた柚子だったが、昼間はひとりで育児をしている柚子だって疲れて起きられない夜はある。
そんな時は意地を張らずに、甘えることにしていた。