政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
「私たち夫婦も、柚子ちゃんのご両親も翔吾は沙希ちゃん年が近いからぴったりだって思い込んでいたのよ。そしてそれを疑ったりしたこともなかった。でも今になって考えてみれば、柚子ちゃんと翔吾の方がぴったりだったのねって私は思う。だって……!」
そこまで言って良子はなにかを思い出したように噴き出す。そしてくすくすと笑い出した。
柚子は首を傾げて彼女を見つめた。
「……? お義母さま?」
「だって、あんな翔吾はじめてだったんだもの! 柚子を自分のものみたいに連れ回すのはやめてくれ、もっと大事にしろなんて言って。ふふふ、自分だってパーティなんかには自慢げに連れて行くくせにね。どちらかというとクールなあの子が、方時もそばから離れないって密やかに評判なのよ」
まるで翔吾が柚子のことを愛して結婚したとでもいうような良子の口ぶりに、柚子は真っ赤になってしまう。
もちろんこれは彼女のリップサービスに過ぎない。
それでもそれを差し引いても、やはり今までの自分には見えていなかったものがあったのだ。
翔吾との結婚生活を柚子は柚子なりに一生懸命やってきた。
それは翔吾も同じことで柚子を大切にしようとしてくれていた。
柔らかな午後の日差しに照らされて柚子は心からそう思った。
そこまで言って良子はなにかを思い出したように噴き出す。そしてくすくすと笑い出した。
柚子は首を傾げて彼女を見つめた。
「……? お義母さま?」
「だって、あんな翔吾はじめてだったんだもの! 柚子を自分のものみたいに連れ回すのはやめてくれ、もっと大事にしろなんて言って。ふふふ、自分だってパーティなんかには自慢げに連れて行くくせにね。どちらかというとクールなあの子が、方時もそばから離れないって密やかに評判なのよ」
まるで翔吾が柚子のことを愛して結婚したとでもいうような良子の口ぶりに、柚子は真っ赤になってしまう。
もちろんこれは彼女のリップサービスに過ぎない。
それでもそれを差し引いても、やはり今までの自分には見えていなかったものがあったのだ。
翔吾との結婚生活を柚子は柚子なりに一生懸命やってきた。
それは翔吾も同じことで柚子を大切にしようとしてくれていた。
柔らかな午後の日差しに照らされて柚子は心からそう思った。