下弦の月
もし……新撰組と月香のどちらかを選ぶ時が来たら、





俺はどちらを選ぶ?






今の俺の答えなんてわかっている。






だから、まだこの想いは胸にしまっておく。






お前を選ぶ。



と迷いなく言い切れるその時までーーー。







だがな、もっともっと……俺に甘えてくれよ?






お前の涙を俺は見たくない、





俺の好きな、お前の笑顔を見たい。







話せないのならせめて、








「一人で泣くな。泣きたくなったらいつでも俺に言え。胸くらい、いくらでも貸してやるから。」







ようやく、落ち着いた月香に今、伝えられるだけの精一杯の想いを口に出すと。





小さく頷いて、俺を見上げる月香の瞳に口づけをして。







「ただし俺以外の男の前で泣くなよ?」







はい。と、頷いた月香の唇にそっと唇を重ねた。








そして、





一緒に満開の桜を見よう。





もう一度、約束の口づけを交わした。
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