恋歌-Renka-



「おい」




私が目の前の状況に
ただ困惑していると





酷く冷めた低い声が
耳を掠める……





気づけば帝に腕を掴まれていて
「来い」と強引に私の腕を引っ張っていく。




驚きの表情を隠せないでいる
みんなを残したままーーーーーー。




それは店を出ても続いて
彼は歩く速度をいっこうに緩めない





「み、帝!腕痛いから離してくれ!」





私の言葉に我に返ったのか
足を止めて手を離す




いつの間にかカラオケから
かなり離れた人通りの少ない
並木道まで来ていた。




そして勢いよく振り返った瞬間





「勝手に触らせてんじゃねぇよっ!!!」





低く怒りに満ちた声で
怒鳴られたーーーー




びっくりして目を見開く……
ただならぬ雰囲気に萎縮して声が出ない。




ギュッ



だけどその直後、私は
思い切り抱き寄せられた。



帝の温もりが私を包むーーー。
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