空を舞う金魚
瞼の向こうから白い明かりが照らしてる。ガンガン響く頭を押さえて、千秋はそおっと目を開けた。……知らない天井、知らないライト。部屋の空気も知らない匂い。不安になって身じろぎすると、ぱらりとブランケットが身体から落ちて、ベッドの下に滑り落ちた。
「あ、目ぇ覚めた?」
視界に入り込んできた滝川に驚く。ぱちぱちと瞬きをすると頭痛に繋がって、また顔をしかめてしまった。
「い……、た」
「ああ、頭痛い? 鎮痛剤あるけど飲む?」
「いえ……、……え、……っと……」
何とか起き上がって、ベッドの上で状況を整理しようと試みる。自分は滝川の誘いに応じて飲み会に参加して、……その店から此処までの記憶がない。
「えっと、……私……」
「ああ、気にしないでね。此処は私の家。千秋ちゃん、お店で潰れちゃったから、おうちも知らなかったし、連れて来ちゃった。もう終電終わってるから、泊っていきなよ。おうちには千秋ちゃんから連絡してね。あとこれ、スウェットだけど、着替え。あ、シャワー……お風呂場あっちね。後何か欲しいものある?」
「あ、……お水をひと口……」
千秋が言うと、滝川がかいがいしく、はいはい、お水ね~、と言って冷蔵庫からペットボトルの水をグラスと一緒に出してくれた。有難く水を頂いてひと息つくと、店で会計をして居ないことに気付く。