空を舞う金魚

家に帰ってラインで迷惑をかけたお詫びと共に、次の金曜日に時間がないかと尋ねると、了承の返事が帰って来た。ひとまず迷惑をかけたことを謝ることが出来て安心する。そして、約束を取り付けたことに少し緊張した。

その金曜日。就業中に砂本が少しご機嫌だったから、千秋が誘ったのが理由だったらいいなと思った。

業後、ビルの玄関で待ち合わせて、千秋が時々帰りに寄る開放感のあるカフェに来た。お客は女の子が多くて砂本さんが照れてたけど、千秋は自分の気持ちを伝えるならこういうところが良いと思ってたので、我慢してもらった。

オーダーのコーヒーとカフェオレがテーブルに置かれて、少し二人で沈黙した。沈黙を破ったのは砂本さんで、千秋は慌てた。

「綾城さん、今日は……」

「あ、……あのっ」
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