空を舞う金魚
いつも通りじゃない雰囲気に、二人とも気持ちが上擦ってる。でも、ちゃんと目を見て言わなきゃ駄目だと思ったから、膝の上に置いた手をぎゅっと握りしめて、千秋は言葉を継いだ。
「あの……」
「うん?」
「……私、砂本さんに、お返事してなかったなって……」
千秋が言うと、砂本が瞬時に緊張したように口を引き結んだ。そんな改まられると困る。
「あの……、私で良ければ、……お付き合いさせて、くだ、さい……」
手に汗を握りながらそう言うと、向かいの砂本が大きく目を見開いて、それから大きく息を吐いた。