空を舞う金魚
夜、寝ようと思っていたら砂本さんからメッセージが入った。大阪泊まりだって言ってたからホテルが気に入らないとかの話かな? と思ったら違った。

――『漸く会食から解放されたところです。ところで、週末は何か予定はある?』

週末か…。週末は毎年行っている、市内でも有名な神社の七夕のお祭りがある。それを考えて、「少しあります」と返事をすると、「じゃあ、来週は?」と聞かれた。

――「来週はなにもないです」

――『じゃあ、デートしない? 映画でもショッピングでも、好きなとこ付き合うよ』

急に間を詰めてくる砂本さんのメッセージに返信の指が止まる。砂本さんは、そうやって自分を知ってもらって、千秋にいずれ選んで欲しいと思っているのだ。……じゃあ、千秋は?

やっぱりどきんどきんと鼓動が早くなる。ときめきというより、焦りという方が正しい。こんな目立たない自分を見てくれた相手に、今度こそ捕まえもらいたい、という気持ち。……それは、打算というのではないだろうか?

凄く迷って、返事をしたためた。

――「でも、私、砂本さんに良くして頂いたからと言って、好きになれるとは限らないです」
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