空を舞う金魚
「あー、砂本さん、また綾城さんの点数稼ぎしてるー」
割と通りのいい声で言われてしまってびっくりする。慌ててそんなんじゃないです、と言ってみたけど、砂本さんが
「そうだよ、点数稼ぎ」
と開き直ったから、逢坂さんの目がきらんと光った。
「おおっ、ついに砂本さんが本命を決めるんですか? 泣く女の子が何人出ますかね?」
「馬鹿な事言うなよ、逢坂。綾城さんに誤解されるだろ」
「あれ? 意外の本気でした?」
「意外ってなんだよ」
軽口の応酬でさえ、千秋には羨ましい関係だ。とはいえ、そこに自分の話題が乗っていたら、とてもじゃないけど笑ってはいられない。
「す、砂本さんも逢坂さんも、冗談はやめてください。それと、ごみ集めありがとうございます」
預かったごみ袋を手に会釈をして、その場を去る。逢坂がにやにやと砂本を見た。