空を舞う金魚

「あー、砂本さん、また綾城さんの点数稼ぎしてるー」

割と通りのいい声で言われてしまってびっくりする。慌ててそんなんじゃないです、と言ってみたけど、砂本さんが

「そうだよ、点数稼ぎ」

と開き直ったから、逢坂さんの目がきらんと光った。

「おおっ、ついに砂本さんが本命を決めるんですか? 泣く女の子が何人出ますかね?」

「馬鹿な事言うなよ、逢坂。綾城さんに誤解されるだろ」

「あれ? 意外の本気でした?」

「意外ってなんだよ」

軽口の応酬でさえ、千秋には羨ましい関係だ。とはいえ、そこに自分の話題が乗っていたら、とてもじゃないけど笑ってはいられない。

「す、砂本さんも逢坂さんも、冗談はやめてください。それと、ごみ集めありがとうございます」

預かったごみ袋を手に会釈をして、その場を去る。逢坂がにやにやと砂本を見た。
< 37 / 153 >

この作品をシェア

pagetop