空を舞う金魚

「いいじゃん、綾城さんも参加すれば。別にお酒飲まなきゃいけないことないし、親睦会にもなるじゃん」

そこでエレベーターのドアが開いて、皆で乗り込む。

「で……、でも、私、皆さんとお仕事のお話出来ないですし……」

「良いのよ、仕事の話なんかしなくても。砂本さんもよくこぼしてたわよ。千秋ちゃんは何時も飲み会に参加してくれないって」

そんなことない。部の飲み会だって何時も参加してる。ただ、お酒の席が苦手だからあまり喋らないし、一次会で失礼するだけだ。

「部の飲み会の一次会は儀礼的なところもあるからね。本当に喋りたければ二次会に参加するのが良いと思うわ。今回は内輪の飲み会だから最初っから二次会みたいなもんね。千秋ちゃんも一度考えてみて」

色々仲良くなれる人も居ると思うわ。

エレベーターのドアが開くと、滝川はそう言って自分の席に行ってしまった。斜め後ろに居た渡瀬からそっと声を掛けられる。

「何時も、バーベキューの時みたいに傍観してたの? 輪に入っちゃえば楽しいかもしれないのに」
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