偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「藍、乗って」
櫂人さんに促されて、見慣れた車の助手席に座る。
彼は滑らかに車を発進させた。
貴臣くんや櫂人さんに送迎ばかりしてもらって、本当に申し訳ない。
すっかり夜の帳がおりた道を運転する婚約者の姿を横目で眺める。
車内ではお互いに無言だったが、このままではこれまでとなにも変わらないと意を決して口を開く。
「なんで私がここにいるってわかったの?」
「是枝さんから連絡をもらった」
「貴臣くんから?」
「ああ、お前の状態や想いを説明して、俺にチャンスをくれた」
彼の返答に、車中での貴臣くんの不可解な行動を思い出す。
きっと貴臣くんは私の隠した想いを察していたのだろう。
「たくさん泣かせてごめん。でもこれだけは信じてほしい……俺はお前を心から愛している」
一瞬、呼吸が止まった気がした。
言われた言葉が現実とは思えなくて、何度も瞬きを繰り返す。
「本気……?」
「もちろん。俺は藍だけを愛している。一生をともに歩きたい人は藍しかいない」
言いたいことも、聞きたい出来事もたくさんあったはずなのに、頭の中から色々なものが消え去っていた。
ただ目の前にいるこの人が愛しくて、向けてくれる気持ちが嬉しくて涙が零れ落ちた。
櫂人さんに促されて、見慣れた車の助手席に座る。
彼は滑らかに車を発進させた。
貴臣くんや櫂人さんに送迎ばかりしてもらって、本当に申し訳ない。
すっかり夜の帳がおりた道を運転する婚約者の姿を横目で眺める。
車内ではお互いに無言だったが、このままではこれまでとなにも変わらないと意を決して口を開く。
「なんで私がここにいるってわかったの?」
「是枝さんから連絡をもらった」
「貴臣くんから?」
「ああ、お前の状態や想いを説明して、俺にチャンスをくれた」
彼の返答に、車中での貴臣くんの不可解な行動を思い出す。
きっと貴臣くんは私の隠した想いを察していたのだろう。
「たくさん泣かせてごめん。でもこれだけは信じてほしい……俺はお前を心から愛している」
一瞬、呼吸が止まった気がした。
言われた言葉が現実とは思えなくて、何度も瞬きを繰り返す。
「本気……?」
「もちろん。俺は藍だけを愛している。一生をともに歩きたい人は藍しかいない」
言いたいことも、聞きたい出来事もたくさんあったはずなのに、頭の中から色々なものが消え去っていた。
ただ目の前にいるこの人が愛しくて、向けてくれる気持ちが嬉しくて涙が零れ落ちた。