Star of Galaxy
「寂しいけど、しょうがないね」
「茶美はいいよね~」
「何が?」
「だって、弦希くんとずっと一緒にいれるじゃん。羨ましいなぁ」
「ずっと一緒って言われても。ただ、家が隣ってだけだもん」
「そうね、好きな人から女子として見られてないってとこは、私と一緒か」
「っ・・・。何も言い返せない」
「でも、やっぱり、羨ましいなぁ。第一関門の『親しくなる』ってのがクリア出来てるんだもんね」
「第一関門かぁ」
それは確かに。鈴音は1個上のテニス部の押田哲也(オシダ テツヤ)先輩の事が好きになってから、早1年半。先輩を前にすると未だに緊張しちゃって、ちゃんと会話したことないもんね。その点、私は物心ついた頃から2個上の弦希くんが常に近くにいて、気が付いた時には他の男の子は眼中になかった。どこがいいのかって言われても明確な事は言えないけど。 弦希くんは背も高くないし、ダンスは踊れるけど、さほど、スポーツマンていうわけでもないし。何となく活舌は悪いし、あんまりシャキッとしてるタイプじゃない。でも、正直で、優しくて、場を和ます笑顔が良くって、花屋さんを継いでからは私が言うのもなんだけど、責任感も出てきて顔が引き締まってきたんじゃないかな。なんて。
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