御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
「花田さん、彼女を頼みます。俺が助けたい所だが、こちらもまだまだする事があって……」

「もちろんです。城之内グループ全体の一大事です。まさか、同じ日に不幸が重なるなんて…」

「そうですね。彼女の場合はご両親揃って、不慮の事故……。居たたまれない」

「また、何かあれば報告します。とにかく月野さんに声を掛けてきます」

 花田さんが彼女の元に行った。

 少し離れているが、静かな病院の廊下だ。あちらの会話が聞こえて来た。

「月野さん」

「あっ、社長」

「遅くなってすまない。大変だったね」

「そんな。態々来ていただきすみません」

「月野さん、私は少しでも助けになればと思って来たんだ。辛い時はお互い様だよ。役職なんて関係ない。知り合いが助けに来てくれてるくらいの思いで頼ってくれ。そんなに無理しなくても泣いてもいいんだよ」

「はい。ありがとうございます。でも、まだ現実と思えなくて……。泣いたら両親の死を受け入れた事になりそうで、泣けないんじゃなく、泣きたくないんだと思います」

 聞いていた俺まで切なくなった。


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