御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 病院で彼女に会った一年後……。

 花田社長から、彼女が両親の一周忌に休みを取った事を聞いた。

 俺もひっそりと家族だけで一周忌の法要をしたのだが、やはり彼女は運命の相手だったのだろう。

 法要が終わりお袋と杏と別れ、ドバイに戻る前に親父の墓に寄った。本当に気まぐれだった。

 親父の墓に手を合わせ帰ろうと歩いていると、女性の声が聞こえたのだ。声の方を見ると何と彼女がいるではないか。

 両親のお墓なのだろう。一年前に病院で見た今にも消えそうな儚い姿に重なる。

 俺は、離れた所で見守る事にした。

 30分くらい経った頃だろうか……。

「お父さん、お母さん、私頑張るね。見守っててね」と声が聞こえた。

 病院で聞いた儚い声ではなく、人助けをしていた彼女の声に近い気がして、なぜか俺まで心が温かくなるような感じがした。



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