マリオネット★クライシス

「この目は大きすぎだろ。さすがにおかしいって。やっぱり実物の方が可愛い、絶対」

“盛った”プリクラとわたしを見比べ、さっきから可愛いを連発するジェイから視線を外し、反対側の窓の外、遠ざかる地面を見下ろした。

友達、恋人、家族……
寄り添う人たちの群れが、笑顔が、小さくなっていく。

芸能界に入ってなかったら……あそこで笑っているのは、わたしだったかもしれない。
その時、本気でそう思った。

女優じゃない、普通の高校生のわたしだって、もしかしたら友達になってくれる子はいたかもしれない――例えばジェイみたいな人、とか。


どうしたんだろう、わたし。

これでいいって、思ってたはずなのに。
わたしには仕事しかない、何より仕事が大事だって、思ってたはずなのに。

どうしてこんな、憂鬱な気分になるんだろう?
まるで……人生損してる、みたいな。


――ユウは、ほんとに女優の仕事が好きなんだな。


とっさに答えられなかった時のことをとりとめもなく思い出し、窓ガラスに映る自分に問いかける。


どうしてわたし、女優になったんだっけ……。


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