マリオネット★クライシス
叫び出しそうになる口元を、必死に両手で押さえた。
間違いない。
間違いない。
あの2人が話してるのは、わたしたちのことだ。
わたしたちの行動……お昼からずっと、見てたの?
監視、されてたってこと?
「どっちにしろ本人に直接確かめてみりゃはっきりする。なぁ、あんなバカップルに一体いつまで付き合うつもりだよ? 居場所掴んでる間にとっとと捕まえようぜ。早くしないとせっかく入れたアプリ、ジェイに気づかれちまう」
捕まえる?
アプリ……って……
「ダメだよ、まだ手は出せない」
「はいはい、例のダッサい眼鏡野郎が気になってるんだろ。あの反応からして、あいつも2人を追ってたっぽいもんな」
何? なんなの?
この人たち、一体何の話をしてるの……?
「でも仲間って感じじゃねえだろ。接触する気配もないし、放っとこうぜ」
「いや、そうじゃない。僕が気になってるのは、一緒にいる女の子の方だよ」
“一緒にいる女の子”――動悸が俄かに激しくなって、息苦しくなる。
それって、まさか……わたし、のこと?
「なんとなく、だけど……彼女がカギを握ってるような気がするんだ」
「カギ? なんだよ、さっきは彼女のこと、何も知らないだろうとか言ってたくせに」
「そうだよ、彼女は何も知らない。知らないまま、巻き込まれてる」
「はぁ? 知らなくて巻き込まれて、カギを握ってる? 全然わかんねえな」
「んー……気づかなかった? 彼女、結城栞だよ」
「結城、って……女優の!?」
頭の中が、真っ白になった。