マリオネット★クライシス
「へぇ、美味しそう」
小さな子どもみたいに無邪気に笑い、「わお、ヤミー!」って目を輝かせながら頬張る彼に、たまらなく胸が疼く。
「お、美味しいってこと? よかった……」
あぁやっぱり好きだ。彼が好き。
悪い人だなんて、思いたくない。
そりゃ、ピアスは開けてるしタトゥーはあるし、外見はちょっと……ヤンキーっぽいかもしれないけど。
まさかそんな、犯罪なんて……信じられないよ。
あの人たち、誰かと間違えてるんじゃ……
「……どうした? 食べないのか?」
不思議そうに聞かれて顔を上げると、彼の方はいつの間にかあらかた食べ終えていた。
「あ、あぁうん……」
膝の上、自分のクレープに目を落として、重苦しい息を吐く。
何が正解か、なんてわからない。
間違ってるのかもしれない。
でも、その時わたしの頭を占めていたのは、彼を信じたいって想いだった。
一緒に過ごした時間は短いかもしれない。
彼のことは、確かに何も知らない。
それでも……わたしをたくさん笑顔にしてくれた。
最高に楽しい時間をくれた。
そのことだけは、嘘じゃない。
「――ジェイ、スマホの電源切ってくれない?」
「……は?」