マリオネット★クライシス
彼にはわかったんだ。
電源を切れって、言った理由。
わたしが何を心配してるのか。
それはつまり……身に覚えがあるってこと。
「行ける?」
素早く最後の一口を飲み込んだ彼に促され、立ち上がる。
足元が、綱渡りでもしてるんじゃないかってくらい、覚束なかった。
もしかしたらわたしは今、犯罪に関わろうとしてるのかもしれない。
「大丈夫?」
そんな怯えに気づいたのか、力強い腕が肩に回される。
支えてくれてるんだよね。
逃げないように拘束……とか、じゃないよね?
「へ、平気」
強張った口角を何とか持ち上げて、頷いた。
こんなに笑顔に自信がなかったのは、初めてだ。
これはお芝居じゃない。
リアルな現実なのだと、思い知らされる。
それでも……もう、後戻りはできない。
「とにかく、園の外に出よう。オレの背中に腕、回して」
言われた通りにすると、まるで抱き合ってるような態勢になった。
はたから見たら、仲のいい恋人同士にしか見えないだろう。
そのまま寄り添いながら、わたしたちは歩き出す。